西表島カヤック旅〜奥西表〜
カンムリワシの高い鳴き声で目が覚める
穏やかな朝
トレック430も満ち潮で流されてないと見ながら、寒くて焚火を作る
カセットガス、新品用意してきてたのにバルブが開いてたのか殆どガスが無くなってた事にへこみ、焚火で湯を沸かして朝コーヒーを作る
片付けながら、朝ごはんを食べつつ
お昼ごはんを作る
長らく使ってるメスティンに焚火で焼いたトースト2枚にハムとツナを挟んだ質素だけどすぐ食えるメシ。とウインナー焼いたの入れた。
余談ながらメスティンってマンガ?の影響かなんか値段高騰してる事を知った
オレのはべこべこの傷だらけ…
よっしゃ準備できた
風は北東5m
昨日みたいに14mのバカっ風じゃない
元来た道を
戻るかどうかと聞かれたら
戻らん
一周できるか挑戦しよう
気持ちは一周のやる気に満ちていた
鹿川湾を後にする
元来た道を振り返る
少しカヤックを進めると
楽しみにしていた滝がある
落水の滝
これを見るのも一つの楽しみだった
落水崎を過ぎ更に西へ
少しすると海にヒレかツノか見える
見渡すと3匹離れ離れにいた
まさか…
シャークさんじゃないか
ヤバい
気分は完全にサメた。
襲われる事があるか分からないけど
万が一あると一発OUT
恐る恐るバッグして離れる努力をする
だけどよく見ると海に飛び出したヒレは2つ見え、背中は大きな円盤のように見えた
えっサメじゃない?
ビビリながらも近づく…
写真みたらサメにしか見えないけど
大きなマンタだった!!
海面でずっと泳いでいる!
嬉しくそっと近づいて見ていた
優雅な姿だった…
だけどマンタがこっちに方向転してきた
しかもこっちに向かってきた
えっ真下通過ヤバいじゃないか
硬直
でもマンタは目の前にして始めてこっちの存在に気づき顔をひょっこり出して
オレと目が合う
そして激しい水しぶきをぶっかけて潜って行った…
すっかりずぶ濡れ
でもこの時、笑った。いっぱい笑った。
驚かしてゴメンねと思いつつ、出会えた事が嬉しかった
シャークじゃなく良かった…
更にパドリング
遠くに獅子岩だっけ。
この辺り
あの岩を過ぎ暫くするとウビラ岩を過ぎ難所と呼ばれるパイミ崎だ
事前情報だとパイミ崎は難所のポイント
リーフ内には大きな岩があり外洋の波が岩にぶつかっては大きな白波を立てる
だけど獅子岩を過ぎてからというものの
潮流が悪いのか、カヤックが前に進みにくい。北東風なのに向かい風?
外洋のうねりもありとにかく進まない
パイミ崎が見えてきた
この辺り
気を引き締め、外洋から更に外洋へと
向かい来るうねりに押し戻されないよう確実にパドリングしていった。
そして無事にパイミ崎を過ぎた
「やったぞ〜!」
と言っていたのも束の間
北風がぶつかってきた
パイミ崎を過ぎてからも余裕のないうねりが続く
写真撮ってる時はまだ余裕があった時
見えてる大きめのうねりを横から受けると転覆するが…
波に負けじと進み、奥西表の自然の強さを感じる
網取湾に入る
網取ブルーは透き通っていた。何でもブルーを付けりゃいいってもんじゃないけど、海の底もはっきり見えキレイだった
最高の海の上をパドリングして進み
通称ゴリラ岩
船浮港灯台
灯台に近づきたかったけど白波が爆発していたからやめた
正直かなりヘトヘトになっていた。
集落のある白浜港ぐらいまで頑張ろう…と思っていた
だけどこの時下調べの悪さ丸出しだった
外離島と内離島、この間を突っ切ろうと思っていた。
遠くから見ているとやけに長い砂浜だな…低い位置から見るとさっぱりだ
かなり接近した辺りで初めて気づく
衝撃だった、繋がってるって。。
考えもしなかった。
着岸して作っておいた昼ごはんとおやつの黒糖を食べていた。カヤックの中も海水だらけだったので汲み取り軽くした。
ここに来て始めて携帯に電波が入って、心配して頂いて方に一報を入れる。
これから外離島側を漕ぐか…
だけど外離島側見ると白波が見えイヤんなった
休憩後、内離島に沿って白浜港方面に向かい漕ぐ
ぐるっと周り
白浜港だ
やっと、やっと人里見える所まで来た
もうこの時点で西表島は半周した事になる。
この辺りは仲良川の水も入ってきて汽水域になる。しかしまぁ潮が引いて浅い…
白浜港に着いた時には14時半
もう少し行った先でキャンプしようと思い北へ向かう
租納、干立地区を右側に見ながら、車が通る姿を見ながら漕いでいく
まったりした感じでいけると思いきや
思いっきりうねってる
リーフ側は白波が立ち無理だった。
仕方なし外洋側を漕いでいくけども
未だかつてないぐらいにキツかった
ヤ○ー予報じゃ東だけど思いっきり北風
ダメだ危な過ぎる
うねりを登りながら見える先は空
下りはジェットコースター
まさに谷底に向かうようだった
せっせめてうなり崎を過ぎたとこまで…
うなり崎
うなり崎を終えたら辛い所はもう無い
だけど進まない
リーフに引き込まれないよう必死にパドリング
なんとか
うなり崎手前。月ヶ浜にて
でもうなり崎周辺も波が見える。
心はここで折れた。
同じぐらいの環境を越える元気もない
現状でうなり崎周辺は越えれないと悟って砂浜に行き漕ぐのを終えた。
今日も凄い1日になった。
身体はもうガタガタだ…
腰と膝に疲れがくる。
残ったガスでお米を炊く
身体も心もホッとしていた
怒涛の2日間。明日の難関はうなり崎周辺だけだ。
そう、あともう少し
その日の夜もぐっすり眠れた事は言うまでもないよね
波の音が癒してくれた