カヤック旅 石垣島一周 前編
2月14日
朝8時前に漕ぎ始めた
遠くから、島の朝8時の音楽が流れて聞こえてくる。おはようございますと、行ってきますを思い、西表から石垣島を目指した。
道筋は以前渡った時と同様に、小浜島から竹富島、石垣島へ。陸地の最短を漕ぎ進むように行った。
風も無く快適に島に向かって漕ぎ、マリンブルーのリーフを越えていくと、藍色のような青色の海が広がりシーカヤック旅が始まったと身体とカヤックは進んでいく。
いつもよりスピードを乗せるのが重たかった。キャンプ道具から食料、水、長期滞在を見通しての道具類。欠かせないビールも積み。。。スピードを落とすと漕ぎ始めが重たくずしっとしていた。
小浜から竹富島を目指す。寄り道に島で休憩は取らずそのまま進む。身体の疲れはまだまだ大丈夫だったが、腰の痛みが少しと、右肘に違和感があったのが気になる。
少し北の風が吹き始め竹富までが長く感じた。白い波までは出なくても、カヤックのバウ、船首が小さなうねりを裂いては、飛沫が顔を濡らしいった。
竹富島は観光客がちらほら見える。人気のコンドイビーチ?に人がまばらに歩く姿がみえていた。
上陸して少し休憩したく少し外れた場所に桟橋が見えていた所に向かった。
上陸して、朝飯なんだか昼飯なんだか分からない海水に少し濡れたおにぎりを食べ、携帯食の西表黒糖をぽりぽり食べていた。
夏とまで言わないが、眩しい暑い日差しが海を照らし木陰でのんびり横になって海を眺め涼を感じていた。石垣に着いて振り返って西表島を見るのが楽しみだった。考えるだけで島から島へと渡るのは海賊になったようでワクワクするもんだ。急ぐ旅でもない、穏やかになるまでゆっくりしようとしていた。
漕ぎ始め、右肘の違和感は痛みに変わってきた。筋が痛むような。。
石垣島までは距離はない。以前のかかった時間を思い出しても10キロもない距離。推定かかる時間1時間ぐらいだ。
少し風が吹いてきて浅いリーフとは違って水深がありうねりが上がってきた。時折返し波があってブレースを当て波が身体をぶつかってゆく。船の行き来が目立ち、右見て左見て、後ろ見て。海上保安の船や島を渡る定期船の行き来、数が多く慎重に確認しながら海を渡っていった。前も後ろも定期船、高速船が通過した時には腰が引け、恐怖があった。あんなのに引かれると確実に死んでしまう。。。
船の行き来が静まり、パドルの水をかく力を一漕ぎ一漕ぎ強めてスピードを乗せていった。
リーフ内に入り石垣島の人や車も見える。観光客もいて、釣り人もいて賑わっていた石垣島の南西に位置するフサキ、観音崎灯台に着岸した。船の恐怖から解放され防波堤で横になり足を伸ばした。
「…とりあえず周る目的の島には着いたな」
落ちついて灯台から西の先に見る海を眺めていた。北風が吹き、潮が引いた海は白波が立ち進み難い海になっていた。予報風は3〜4m。
「当たってねぇな」
人も賑わってきて、落ちつく場所でゆっくりしようと動きカヤックに乗り込んだ。名蔵湾を越えた先に、友達と遊びにきた浜があった。灯台から見て目視感覚2時間以内だろうか、そこを目指した。
風がまた次第に強くなってきた。荷物を積んだカヤックは漕ぎ始めが重たく痛んだ肘が更にズキズキと痛む。思うように進まない。。
風でパドルが飛ばされないよう握って、内海の海流も強く、3〜4キロの遅いスピードで腐らず漕ぎ進み横目に名蔵の橋やフサキのリゾートホテルを眺めながら進んでいった。
ログの切り忘れもあるけど、たった8キロの距離を大体3時間かかった。いつもなら1時間半程。
予定していた場所は、テントを立てようにも潮が上がったら人が歩く程度のスペースしか見当たらない。海岸を散歩してあーだーこーだ…面倒なって砂浜で寝袋だけで寝ようかと考えた。
暫くして釣り人が話しかけてきて、海岸沿いにテントを開きやすい場所を教えてくれた。
(友人撮影)
漕行距離36キロ。波照間島に渡った時と然程変わらない距離。疲労感がどさっときて、食事は簡単にカレーを作ってラジオを聞きながら照らす月をぼーっと眺めていた。仕事終わりの友人が遊びに来てくれたのはとても嬉しかった。差し入れでコンビニで売っている天ぷらとシュークリームを持ってきてくれた。疲れた身体には甘さが広がり美味しかった。
暫く話、星の話をして眠りについた。
2月15日晴れ。北風4m予報。
9時過ぎに漕ぎ始めた。湾の奥、風下に位置する場所だと北風は無くパドルが水を割く音だけが聞こえる静かな海を進む。毎日こんな調子というか、穏やかな海だといいなと切に願いながら…
暫く漕ぎ進め、湾を越えて島の西側の大崎ビーチ周辺を横目に過ぎていく。ダイビング屋、サップしている人達、サーフィンしている人達の数が目立つ場所だった。
風が次第に北風が強く当たり始めた。中々思うようにいかないもんだ。
びゅーびゅーと北風が通過していく。漕いでいないと流れと相まって戻されていく程。。
向かう先は御神崎。石垣島の海周りでリーフが無く、岬に波が当たり荒れやすい場所だ。
「この風だと荒れるかな…」風速予報の4mなんてとっくに越えた。
沿岸すぐ近くや、岩礁辺りは白波が生き物ように動き高い位置から覆い被さる動きだ。
写真を撮る余裕がギリあった時
断続的に前からくるうねりも時折白波に変わり、こちらにも白い牙を向けて襲いかかる。沈のないようブレースを当てつつ進みパドリング。浅いリーフという訳でもなく、外洋らしい海が続いた。
変わらない白波にうねりだけなら問題はなかったが、灯台真下辺りから海に変化が現れた。岬の先に当たる場所。外洋からのうねりは、灯台周辺の小さな島のような岩礁にぶつかりちらして最悪な三角波ができていた。三角波は空から無数の爆弾を落としてくるよう、不規則に高い三角波が周り一帯を埋め尽くした。
気を抜くと三角波から突き上げられてまずいことに…この環境で沈してロール(乗ったまま船を起こす技術)できるか海の動きも早く微妙だ。
震えた気がする。緊張があって手を止める事はできない。
パドリングに全集中を送り、高い三角波を確実にブレースを当て御神崎を越えていった。
崎枝湾にて
出発地点から反対側にぐるっと回ってきた。
「ふぅー生きてる」
ふらふらした足取り、砂浜に寝転び少し震えた足を黙らせた。
北風が湾内を突き抜ける。日差しが照らしてくれてよーが、濡れた身体、強い北風、寒く岩の風下に隠れ少し昼寝をして時間を過ごした。人なんて来ない場所だろうと勝手に思っていたけれど、さすが石垣島。西表島と違って海岸に人は来る。
海岸で岩裏で昼寝している自分を見て怪訝な様子だったのでカヤックに乗り込み漕ぎ進めた。
最低でも崎枝湾を漕ぎ川平の湾周辺まで進みたかった。
御神崎と比べたらかわいいもんだ。リーフと境目にはデカい白波が断続的にできていたけど、3mぐらいのうねりを進み川平に向かった。
外洋から白波の動きが弱い箇所をサーフィンのよう乗り越えリーフに入った。
川平の周辺の海は凄くキレイだった。
珊瑚と海底の砂がキラキラと輝いて光っている。透明度もよくカヤックは空飛ぶ絨毯に乗ってるようなふわふわした感じになった。
引き潮の影響で海はどんどん浅くなってく。
「浅くていやだなぁ…」
ファルトボードに乗ってるとFRPよりも特に船底を擦ることが嫌いになる。
潮は引いてくけど浜で少し休憩。どこまで漕いでいくか、キャンプする場所をざっくりと決めたい事だし。
当初、米原ビーチのキャンプ場まで漕ぐつもりであったけど体力的にキツかった。無理する気もないし川平湾を過ぎ
吉原の海岸でギブアップした。
米原に行くまでにクリスタルビーチを過ぎてく事になるけど、また一度外洋にでなくてはいけない事になるし面倒になっていた。
吉原海岸は地元の人が歩いているのをよく見かけた。テント立てる場所にあれこれ考えていたら声をかけてくる。
「どこから来たの」
「ここまでは潮が上がってくるよね」
特に気を遣ってくれた兄ちゃんと話しをしていた。
近くに売店あるかと聞くと車で送ってくれた。
一番近い売店は閉まっていて、吉原から少し走る場所まで行き、帰りも送ってくれた。
疲れた身体にビールをカカーッと飲み
今日を振り返り
テント立てるまでログ切ってないから休憩時間もあると漕いでる時間としては6時間程。
温まる鍋を作り明日の向かう先を考え
風と波の音を聞きながら、痛む肘を上向きになるよう横になり深い眠りについた…
黒島カヤック
つい最近だと
カヤックで黒島に渡った事
と言っても2回目。1回目は…隣の新城島で前日にキャンプしてから黒島に行こうと準備していたけど急に「明日仕事だからな」が発生して、ムカついて弾丸で黒島まで日帰りで行った事だ。上陸して泳いでさっぱりして帰っただけ。
大事にならずに済んだ事だが、新城島前で安永の定期船航路近くにいたことで邪魔をしてしまった。注意が足りなかった事に申し訳なかった(船内に仲の良い子が乗っていて2人の笑い話にはなっているけど)
日を改め、日程的に結局日帰りだけど朝早めに起き黒島へ向かった。
天気が良すぎてサングラス越しでも目が焼ける。太陽の右側に見える2つの島は新城島だ。黒島は新城島の更に奥。黒島は蜃気楼のよう、ボヤけて見えるか見えないかだった。
「うぅー暑い」
でっかい独り言、そればかりを口にする、海況は凪っていた。
新城島にて。新城の島民人口は少ない。人に会う事も無く、着いた浜周辺で身体を伸ばし、海を見ながら朝飯のおにぎりを食べていた。
一息ついて乗り漕ぎ進め、新城島から黒島までそこまで遠くない距離を漕ぐ。周辺からウミガメが急に増え始めて、見慣れた光景だけど息継ぎしてはチラ見して逃げる。
黒島周辺は特にダイビングやシュノーケルのポイントが多くダイビング屋の船が数えきれないぐらい黒島周辺を彷徨いていた。
おまけに今度はヘリコプターが頭の上でぐるぐる周り始める。
GOTOが始まってすぐだけど、夏のシーズンのような活気ついた遅い夏が八重山に始まったと感じた。
黒島に着いて、港に上陸せずに黒島のスポットである伊古桟橋に向かった。なるべく潮が高い状態で着きたかったからだ。潮が低いと桟橋周辺が干潟で少し残念な景色になってしまう。
黒島 上陸
海に浸かって身体を冷やし
カメラとお茶、おやつを持って桟橋の先まで歩いて行った。地味に、意外と歩く。
座って携帯食の黒糖とぬるいコーヒーを飲み、大の字になって暑い日差しを受けていた。
10月に入り、湿度も下がり暑いけど日差しも気持ちよかった。
黒島に住んでいたらひたすらここで釣り三昧だろうか、とか無駄な事を考えたり、周辺に見える島々を1日で全部渡れるのかとか考えたり。各島々が見渡せる伊古桟橋が少し気に入っていた。
昼飯は黒島で食べるつもりだったから港に向かった。
なんもねー
まっ島ってたらこれぐらいがいいよな。
港すぐ向かいのカフェで昼食にそば。
カフェと合わせてレンタルで自転車も貸し出していた。
歩いて島を巡ろうと思っていたけど、歩くには距離があると言われ、ママチャリを借りてサイクリングした。
港から最初の道を進み、先にはなーにも無い
ただ、真っ直ぐの道だった。
周りは牛だらけの島っていうだけに、牛が放牧されてウロウロとしていた。慣れるけど牛臭も風で伝わってくる。
ガジュマルの周りに沢山集まっている
港から10分前後チャリンコ走らし
亀やらサメやら、周辺に住む生き物達の博物館だった。
亀の甲羅って、骨なんだ。
てっきりヤドカリみたいに、家的なアレだと思っいた。
ミニカメちゃん
海で会ったらキライだが、水槽で泳いでいる姿は可愛かった。
1時間も居なかったけれどとっても満足。
最低限、そば食べて博物館に行くができてよかった。
時間もまだ余裕があって島をぐるっとサイクリングした。
集落の中心辺りまで集落の人を全く見ないと思っていたけど、公民館内が見えた時、島の大半の人が集まっていた。
売店に入ってビールとアイス買って(売店の女性がすんげー可愛かったのが印象に残った)
アイスかじりながら港方面にチャリンコ走らして、途中展望台を見つけて
いい天気にカヤックで島渡ってチャリンコ乗ってアイスかじって展望台でビール飲んで
黒島満喫
展望台からの景色も思ったより良かった
山が無いから平坦な島の景色が一望できるここで一息つくよう落ち着いた。
これから帰路となる海を進まなきゃいけない。
暑さを和らぐ風も少しは吹いて欲しい。
そう思いながらも感じる風はさほど無く、カヤックに乗り込み西表島に向かった。
帰り途中、死んだ珊瑚の集まりだけで干潮時に出現する、バラスに上陸して休憩しようと目の前まで近づいたら、どっかのショップが船とジェットバイクで先を越されてしまった。気にせず上陸しよと思ったけどジェットでバラスの周りをぐるぐる周り始め気分が下がってやめた。
暑くて暑くて、身悶えしながら戻っていった。
全体往復6時間前後
距離34キロ程。
微妙に山も入ってるけど
ある程度、周辺の島々へは渡った事になる。
行きたい場所はまだまだ尽きないけども
更に新たな場所へ目指せるようもっとカヤックと付き合っていこうと思った。
石垣島東海岸カヤック
少し
日にちが経ってからの事
写真は車道
リーフに沿って東の内海を漕いで行く計画
石垣まではカヤックは畳み定期船にて
今回は釣り仲間のお友達が伴走船ならぬ
釣りポイントで合流する伴走車付き
海で何かあっても何もできない。笑
7/14 9:50 南風7m
スタートは南東側にある宮良海岸を出発
遠くに見えるのはANAのホテルだ。
スタート地点でメシ食ったり喋りながら組み立ていると、この時は7月。汗が止まらず出発した時には汗だくだった。吹いてくる南風が夏を感じさせながらも風でざわつく波、被してくる海が汗を流していった。
出発して宮良海岸近くのホテルの展望台から数人が見下ろしていた。そんな時に沈なんてしたら恥ずかしいったらありゃしない、さっさとその場を越えて白保の海に向かった。
白保から見た石垣島の北部
左側には空港がある。後ろにはシュノーケルツアーの船が沢山いた。
白保はテーブルサンゴや青サンゴの綺麗な場所
潮が引いているとテーブルサンゴが表に現れ上陸できるよーだけど、満ちてた。
左側に空港も見えてきて飛行機飛ばないかなーっとそわそわ。てか待っていた。
フォォォンとエンジン音が響き
ピーチが飛んだー!
海から飛行機を見上げ、見えるいくつかの窓。
石垣島の海を見下ろしているのだろうか。
飛行機から海とほとんど一体化したカヤックは見えるのだろうかとか思い、少し見送るような気持ちで飛行機を眺めていた。
少し進み空港前の海を越えた場所。島側には採石場や少し先にのばれ岬がある所だ。
白波が島側手前まで押してるように見える。
落ち着いて漕げるリーフ無いんじゃないか?離岸流の場所に白波が立ってる?
地図の真ん中辺り
白波を越えなきゃいけないか…。恐る恐る越えれる白波か近づくもアウト。流れも早くピッチの早いうねりと砕け波に押し返されサーフィンしながら戻される。
浜側ギリギリラインを通ろうと近づくと…
少し高めに上がった砕け波が、本当はまばらな場所で白波に変化していた。ポイントを抑えて進めば大した事のない状態だった。
遠くから見ると連なって見えて進路が全て白波に見えていたって事だ。
細やかな、新しい経験だ。追い風だけど風も強いと内海の海じゃそんな事もあるんだなと考えながら、ほっときゃ早い潮流に流されるしパドルの漕ぐスピードを早めた。
13:30伊野田漁港に到着
友人が釣りをしながら待っていてくれた。
飲み物買ってきてあげると言われコーラをお願いした。
まだまだ先は長いのは分かってるし
のんびり話をしてたら14時になるし
この辺りはどーだったとか話を聞いてくれる。
中継地点に友人がいると嬉しいね。
出発する時友人が
「玉取崎展望台から写真撮るね」
と言ってくれた。
「伊野田漁港から40分ぐらいかな?」
石垣島で有名な展望台
遠くに展望台が見えてきた。
周辺の海は一段と青くその場で飛び込みたくなるほど透き通っていた。
展望台にいる友人は見えるか?でも見上げてもさっぱり見えなかった。余裕があれば展望台の前で電話しよかと思ったけど波があって残念ながらその余裕も無かった。
だけど嬉しい事に友人はちゃんと海に浮かぶカヤックを見つけてくれた。
最初見せて貰って全くどこにいるのか分からなかった。大体真ん中辺りに画面の汚れみたいにあるのが俺だ。笑
あまりに小さい姿に笑ってしまう。でも結構気に入った写真。海の大きさと被写体の小さな自分とのギャップに、たった1日でも海旅の壮大さを感じる写真だと思った。
もう1枚、すぐ見つけれた人は凄いよ。
拡大してもらった写真。笑
漕ぎ進めて行く内に内海の潮流が強くなってきた。流れが東に、外海側に流れる。ほっときゃ船首は完全に東に向く程の流れがあった。
この時辺りから漕ぐのにかなり苦労をしたのを覚えている。
左に1回漕いだら、右に20回パドルを動かさないと真っ直ぐ進まない。
次の合流場所に予定しているのは明石海岸。
「いつまでこの潮流なんだ…」
結構な苦行だった。カヤック乗った事のない人にはピンとこない話だけど、パドルを左右に動かす力は上半身全体を使って漕ぐ。ただひたすら右だけとなると腕の力が少し必要となってくる。これがひたすら続くと腕の疲労感がどんどん辛くなってくる。これが1〜2時間と続くとなると…
ラダー(舵取り補助機)が無いとこんな時地獄だ…
汗だくはぁはぁ言ってるオレとは違って伊原間周辺の海は爽快なキレイな海。写真撮ってたら船首は自動で右に向くけど。
写真の先っぽを越えると合流地点だ。
亀が沢山泳いでる。顔出してはカヤックに驚いて猛ダッシュで逃げて行く。追いかけながら進み明石海岸へ向かった。
人が泳いだり遊んでいる姿がちらほらいた。
時間が時間だから帰る姿やら、釣りしてる人や、不思議そうにカヤックを見る。
16:00明石海岸到着
最高の天気だ。恵まれた天気に感謝したい。
太陽も西に傾き出して、目の焼けも和らいできた。
2人で少し釣りして、携帯食のカロリーメイトを食べて落ち着いた(カロリーメイトは失敗だった。喉は乾くし、何よりバラバラに砕けていた。)
少しゆんたくしてから漕ぎ進めた。明石海岸の湾内は潮流も風も無く漕ぎ進めやすかった。湾内を出ると後ろからくる南風で煽られ、潮流に煽られ、相変わらず真っ直ぐはいかないようだった。
石垣島北東の地域は放牧地が大きい。観光の手も入ってない、何となし島らしい景色ような、石垣ではあまり見ないような風景だった。
牛さん達の団体だ
近づくと牛さん達はじっと見つめてくる。
ゴールまでもう少しだ。暑さでぐったりとしてきたが、海に飛び込む気にはなれなかった。スコップで海水を汲んで頭にぶっかけた。
暑さから目が覚め後ろを振り返り進んできた海を見つめた。諦めないで進もう、ただそれだけだ。
平久保岬から見下ろす海岸、平野海岸に着いた。遠くで友人が釣りをしては、気づいては手を振ってくれた。
ゴールを噛み締め、海の上で、カヤックの上で寝っ転がり足も外に出して優雅な漂流をして石垣島東部カヤッキングは終わった。
漕行距離40キロ 時間08:20
上陸時の休憩時間は切ってないから…8時間ぐらいか。
次の日石垣島をドライブ
久しぶりにミルミル本舗でアイス食べた。
この日も天気は良かった。
今回の旅路に付き合ってくれた、サポートや写真を撮ってくれた友人に心から感謝したい。
石垣の東の海を進めた嬉しさもあるけれど、友達に恵まれ、この日を過ごせた時間はきっと何より嬉しかったかもしれない。
波照間島観光
起床7:00 逃げ恥見ながら知らない内に寝た割には早起きしてしまった。でも身体は深い眠りだった。気持ちいいぐらい深い眠り。
身を起こして
あー身体いてぇ
早起きして良かった、日が高くならない内にカヤックを畳みたく港に向かった。
ハウス美波さんから自転車を借りていた。
美「自転車出しておきましょうね」
電動自転車を用意しようとしていた
俺「いや悪いですから普通の自転車で大丈夫ですよ」
好意に甘んじておけばよかったかもしれない
港へ行く距離だけでも
ぜーはぜーはー
昨日で体力バロメーターは終わっていた。
宿を出て10分ぐらいでスロープに着いた。
トレック430は船を乗せる台車の上に置かせてもらっていた。
ライフジャケットやら荷物は散らかりまくっていたけど、心を無にして乾いて出来た塩の結晶を拭い片付けた。
いつものリュックになって、帰り回収する。
せっかくだし波照間島の日本最南端の碑に行こうとチャリ漕いだ。
坂ばっかりじゃねーか。
集落を越えて南に向かったら碑がある。
しかし悲しい事に道に迷う。
集落内は似たり寄ったりの道。
集落出るとキビ畑ばかり。
あっちこっちウロウロ。
どこもキビ。キビキビしすぎてさっぱりだ。
以前来た時もこの道を下った気がした。
同じ様な景色ばかりだから気のせいかもしれないけど。
海に近い道路に出て最南端の碑に向かった。
やっと着いた
久しぶりの日本最南端。いつ来ても嬉しいね。
今日の海は荒れると聞いていたけど…
風がばーばー吹いてる
沖も白いのが沢山見える
昨日漕いだ航路を遠くまでなぞる。
昨日は海から最南端の碑の写真を撮ってとしたけど今日の海だとそんな余裕は無かっただろう。
海を渡る時「恐くないか」と聞かれたら恐いにきまってる。知らないからくる恐さではない、知ってきたらくる恐さだ。プロだらうが素人だろうが簡単に危ない目に会う。痛感しているのが自然は一切容赦しない。だから安全な航海のオペレーションが必要で、今回の航海でも見直す事や物が色々分かった。
宿へ戻っていく。チェックアウト済ましに。
美波「ニシ浜行きました?10時〜ぐらい港からのニシ浜の景色キレイですよ」
カヤックが置いてあるスロープ横の防波堤を上って歩いていくとニシ浜が眼下に広がる。集落の道も覚えてきて、チャリで軽快に島の中を走ってく。
防波堤の上からはニシ浜の海が、波照間だとひと目でわかるキレイなリーフが広がっていた。
このブログを書きながら、何度思い返しても、波照間の海は最高だ。
同じよう防波堤にいた、日焼け対策バッチリなお兄さんと話が弾んだ。
昨日話をした観光で来てる人達と友達のようで
西表島から来たことも知っていた。
泳がないんですか?島に住む人は泳がないですよねー
とか言われちゃったら、波照間だしやっぱちょっと泳いどこーっと
ニシ浜へ。昨日より潮がまだ満ちていて泳ぎやすそう。おもちゃみたいなリーフツアラーのフィンとマスク着用して海の中を散策してみた。
海水の透明度、青さ、魚もいっぱい、飽きないキレイな海だ。観光客が波照間島に魅了される海の素晴らしさだ…
いやぁ、釣りしたいな、とか思いながら海を散策。
ニシ浜の海には亀がよく泳いでいる。人馴れをしているのか近づいても不思議と逃げない。
ぶっちゃけ亀はよく会う。うみんちゅや漁をする人たちは亀の存在を良くは思ってない。よくある守ろう運動は亀にもあるようだけど、みんな口を揃えて言うのが増えすぎだと。海藻を主に食べるようだけど、食べられ過ぎて魚が減ってく傾向にあるようだ。
とは言っても、一緒に泳いで見る分には可愛い生き物だと顔を見つめ平行しながら泳ぐ時間は安らぎだった。
船の時間もあって自転車を返しに宿に戻り、港に送迎をしてもらった。
色々ご迷惑をかけたこっちがお礼を言う立場だけど
色々な話も含め八重山の話、カヌーの話と、とても楽しい時間でした。また来た時は連絡下さい。飲みましょう。
心からの言葉を聞け嬉しかった。
港では何度か話しをした観光客の人達もいた。
次は鳩間島に行くんだとか、これから石垣島を遊び尽くすとか皆楽しい思いでいっぱいだ。
(後日石垣でBBQをした時に聞いた事で、知り合いが先日鳩間島に遊びに行き泊まった宿で、西表島から波照間までカヤックを漕いで来た人に会ったと聞いて、自分の話だとすぐに分かり話題に上がって楽しそうに話をしてた事が少し嬉しかった)
防波堤で話をしたお兄さんが見送りに手を振っていた。もっと素朴な旅になるかと思っていたけど充実した2日間だ。
自身にとって大きな海を越えた事に間違いない。自然と向き合う新たな精神力。ファルトボードの安全性の証明。この海を越えた事で新たな事へ繋がる自身の力量も更に分かった。
西表島大原港に帰ってきた。島間航路便で波照間島から西表島に真っ直ぐ帰ってきた。
港ではいつも話したり会ったりする子が荷物を持つ手伝いをしてくれた。顔を見るなり話をして帰って来た事にホッとした。
西表島、波照間島でお世話になった方々ありがとうごさいました。
波照間島カヤック一周
ニシ浜から出発
気楽な感じで漕ぎ進んだ
焦らずのんびり行こう。
反時計回りで島の北側にあるニシ浜から西へ。
言ってる意味がややこしいか。
方言で北がニシ、西がイリ、東がアガリ、南が八重山ではパイ。西東は日の入り日の出からの言葉からだとは分かってる。北南分からん。
ニシ浜から西の海は干潮時刻が近かったから浅くなって船底が擦らないか内心ビビった。
結局島寄りのリーフは浅すぎて、無理だったから外海に向かった。
島の北西の海の色はエメラルドグリーンのようだ。ニシ浜の青い海が暫く続くと思ったけどそうでもなかった。浅いから底がはっきり見えていた。魚がのんびり生きている所の上を通り魚達が驚いていた。
島の西側を漕ぎ進む。潮が引いてリーフはみな干潟、礁池となってリーフエッジ沿いに進む。
進み、島の西側を過ぎ南の位置に入った
立ち寄る浜もなく崖が見える先まで続く。
南西の風が強くなってきた事をよく覚えている。夕方前後の風速予報は5m前後だった。うねりも少し大きくなってきた。
波照間向かう事や波照間を一周するに風が5mだと言ったら5mだ。予報波が1.5〜2だと言ったらまんまそう。
自分がいる位置から南はもう何もない事を思いながら南を向いた。あると言うならフィリピンだろう。笑
崖っぷちを進み
懐かしいのが見えてきた。
日本最南端の碑
更に南から写真を撮れて満足
日本の南の島の最高のカヤッキングだ。
もっと近づきたい気持ちがあるものの、白波に殺されるから止めだ。
もうこれだけで満足感でお腹いっぱいだった。
さすがに、バテた。
残念なことにあまり休める海じゃなかった。
うねりが砕けた海が船内、コクピットに侵入してくる。
最南端の碑を過ぎ島の東側
旧波照間空港が…さっぱり分からなかった。
撮影したのはこの辺り
この少し手前磯場からでも磯マグロとかでっかいのが釣れる場所。
単調な景色を見ながら島の北東側へ進む。
内海の潮が引いてるせいで遠回りに大きく外洋側に進み、あるのか無いのか、体力を削り漕ぐ。
礁池に親子?が歩いて貝拾いをしていた。手を振っていたのが見え振り返す。サングラスをしていても目は太陽で焼けていて景色が霞む。
北側の真ん中辺りまで来た所で遠くにやっと港が見えてきた。
嬉しい。終わりが見えた。
すっかり太陽も西側にあって、眩しさと太陽の熱が自分自身を照らす。
今更ながら上潮に変わってからやっと内海にカヤックを浮かべる事ができた。
安堵感がある。ゴールもすぐだ。
待機してもらっていた宿に電話を済ました。各離島、小さな島には港に宿のお迎えがある。
事前に話をしていたスロープに向かった。
17時20分波照間発の安永の定期船が港に入って行った。暫くして、直ぐに船が動き出さないかエンジン音に耳をすまし、ビビりながら港の中へ進み、港に入ってすぐ左、宿のオーナーが手を振っている。
「スロープはあっちだから!」
多分そう言って案内していた。
定期船の後ろを通り、船着場を横切り
(オーナー撮影)
波照間島一周、ゴーール!!!
長い長い船旅も無事終わった
自分のカヤックで波照間島まで行き、日本最南端の島を一周する。カヤックを手にした時にイメージした夢だった。
また新たな目標は広がるだろうけど、今、身の丈プラスαの冒険を達成出来たことが嬉しくたまらなかった。
宿のオーナー以外にも人が集まって、親切にも船着場でカヤックや荷物の置く場所を提供していただいた。
お世話になった方々、皆様、ありがとうございます。
実際は16キロぐらいだ。宿に着くまでGPSを切り忘れていた。
想定外が体力の消耗により思ったより時間がかかっていた。
泊まる宿が「ハウス美波」
臨機応変に対応して頂いたお礼にパイナップルを積んでいたから差し上げた。
宿に着いてシャワー浴びて暫くぐったりした。
なーーんにもする気力が湧かなかった。
近くで買った飲み物もほぼ一気飲み。
「落ち着いたら来てね」
と言ってもらってたので行き
パイナップルを切ってもらって、波照間の泡盛の泡波を頂き西表島、波照間島の話を星がキレイに輝くまで話が盛り上がった。
近くの飲み屋に行って暫く人と話をした。
「カヤックで来た人?」すっかりその日は島で話が広がっていた。
ビール1杯につまみを食べて店員さんとも談笑し(後からこの人は石垣で会った事のある人だと気づく)
疲れがピークを迎え1時間程で部屋に戻ってきた。
波照間に来たら星空撮影に行こうと思っていたけど、そんな気は微塵も湧かなかった。
テレビをつけ、逃げ恥見ながらそのまま眠りについた。。
次の日波照間島をゆっくり見よう。
のんびりしよう。
波照間島カヤック島渡り
日本の最南端の島を自分のカヤックで島に渡り、島を周る。いつかはと。夢のような話だ。相応の技術を得たと感じれば行きたかった。
海況を考えたらいつでも行けると言う訳でもない事。
最終的には機会とタイミングがあればとは考えていた。
調べる事はたくさんある。海に出る以上、知らないでのぶっつけ本番は危険性が増し痛い目によくあってきた。
石垣や小浜など周辺離島へ行くのとはまた漕ぐ海が違う。八重山は浅いリーフに囲まれてた島々。今までの各島々へ海の水深は大体20〜30mだ。だからと言って安全という訳じゃないけどね。
「波照間まであっちは外洋だよ」
その言葉をよく耳にする。
周りにカヤックで行った事のある人がいない、噂もない。当たり前だろうけど自分の船や、定期船。普通そうだよな。情報はあまり得れなかった。
海図を元に、西表から波照間までの西の海域は100〜200m。特に深い東側海域の水深は600〜700mだった。周辺離島とは桁が違う。
危惧する事は山程ある。水深700mある海流が100mの水深にぶつかるとどうなるか。
更に風向きにハズレを引いたら三角波ができるリスクもある(三角波とは多方面からの波によってできる名前の通りの三角形の波)
少なからず経験の無い海、片っ端から聞き込みルートを模索した。
ある程度内容も固まり、風が落ち着いて日程があえば行こう。と思った。
6月中旬から7月中旬ぐらいまでは沖縄は夏至南風、方言でカーチバイが吹く。南風の爆風だ。酷い日には10m前後の爆風。瞬間風速は15m以上になる。強烈な瞬間風速がきたら台風と変わらん。笑
そんな日が続き
21日、日食を始めて見た。太陽光レンズ持ってないから雲がフィルターになった時に撮れた。
まぁ波照間はいつかはと思う日が続き…
6/23 南西風速3m
何日も続いたカーチバイが急に止む日が現れた。試す価値のある日が来た。しかも都合良く仕事も休み。
カヤックの準備やら、周りに報告、波照間での宿(客足が少し戻ったのか地味になかなか部屋がとれず不通もあったり何件も電話するハメになった。行けるかも、中断するかも、つまり急なキャンセルもあるふわっとした予約)
予定ルートをざっくり行ったら、西表島の中心からみて真南辺りに進み、そこから南南西に方角を基準に進む予定。真南辺りで中断か進むか判断。
カヤックの準備と確認に時間を費やした。
100%必要な物だけを積んだ。
am06:00出発
湿気がすごいのなんの。出発から10分程で汗だくびっちゃびっちゃ。
南風見田まで慣れた海を進む
内海を進んでいた。南風見田の手前辺りから外海に出ようと思っていた。余分に内側、内側と進む漕ぐ体力を使いたくなかったからだ。
だけど風も吹かない満潮近い潮なのに内海と外海との境界線、リーフエッジは白波が見える。
内海を暫く進めば離岸流のある場所、白波が立たない場所はあるけど遠いなぁ…
「上手く白波の切れ間から外に出れないかな」
進みながら模索する。
リーフエッジ手前からうねりができている。
リーフ内は浅いからうねりも早いし流れも少し早い。
「あそこ行けるかな?」
離れた場所で波を観察して…大丈夫じゃない?
進んでいった。
けどこれ大失敗
リーフエッジ手前のうねりに入った。
「ここだけうねりが大きいな…?」
波のてっぺんに来た時、やらかした。
下を見ると先に白波がもわもわと生まれていくのが見えた。
半端に大きいうねりが奥にあった白波を隠してしまっていて分からなかった。
はっきり言ってびびった。沈(カヤック用語で沈没)リスクが一気に跳ね上がったからだ。
沈リスクどころか、沈脱したらカヤックと離れてしまう最悪なことになる。
今まで沈は何回かやらかした事はある。
デッキの荷物が先に転がって取ろうとした時やふざけた漕ぎ方した時や
危なかったのが白波が後ろから突っ込んできた時。でもこれの原因は、一瞬理解が出来なくて漕ぐパドルを止めてしまったからだ。
この時の事を思い出した。後に戻る事はすでにできない。変に逃げて横から波を受けたらただじゃ済まない。
船首を確実に波に向け、手に握るパドルを離さない、パドリングを止めず進んだ。
うねりの下に来た頃には波は頭より高くなった。
身を低くしてパドルを漕ぎ、強烈な白波を頭から被った。
「よし、こえたぞ!」
マジか、第2波まであった
サングラス越しにぶつかる海を睨み
先に穏やかな海が見え波を越える事ができた。
「やった!」
無事外海に出る事ができた。安全な場所まで進み、振り返ってリーフエッジを見るとどこも白波が爆発していた。
成功した優越感に笑いがこみ上げた。
と言っても行った事事態が失敗なんだが。笑
コクピットの中は海水がたんまり入って、すっかり身体も泳いだ後の様にずぶ濡れだった。
海水を掃き出し、携帯食をつまみ進んだ。
外海は穏やかだった。小さなうねりがあったけど問題もない程だった。先に鹿川が見える。
島を右に海をパドリングして進んでいった。
西表島の真ん中から南、とうふ岩辺りから南に来た所だ
西には鹿川湾すぐ近く
時間にして9時前
行くか中断するか判断する
「よーし行ってみるか」
海況は安定している。穏やかだ。
携帯の電波があって、連絡済まし
一寸先は海へ
南風見田の浜に立った時や、道路の高い所からも波照間島は見えていたけど、背の低いカヤックでは波照間は見えなかった。
手に持つ小さなコンパスで南南西を確認しつつざっくり表示だがスマホでGPSも確認して進んだ。
海の青は進むにつれ深い青いになってきた。太陽の当たり方に変化が出てきた。
こんなキレイな青を目の前に見たことがない。
海の色は進むカヤックのデッキと同じ様な青さだった。手にすくっても透明なのに不思議に感じた。
次第に暑さがキツくなってきた。
太陽が少しづつ高い場所に上がりギラギラ照らし始めた。
海がチカチカ光っている
とにかくパドリングの手を止めなかった。
休憩したくなったらするだけど、ひたすら進み
後ろを振り返れば西表島が見え
向かう先は見えない島、波照間島。
外洋のど真ん中にいると不思議な感覚がある。
星から星へ向かう宇宙船を操作してるような、そんな壮大な事のよう、島へ渡るストーリーを感じる。
10時40分頃
やっとだ。
波照間見えたぞー!!!
拡大写真
少しあるうねりが島を見えなくしていた。
少し休憩を取った。気楽に休憩できるタイミングだし、先の海況が爆発したら休憩ができない
茹でたとうもろこしを半分食べ
5個入りぐらいのくるみパンを2つ。
パンを食べながら…
「飲み込めない…」
口の中から喉の奥まで乾いていて、更にパンなんて食べ奥まで入らない。
気持ち悪くなりそう。
無理して2つ詰め込み飲み込んだものの、お腹に入っても消化しないのかゴロゴロしていた。
気持ち悪いまま進み、暫くするとうねりに変化が現れた。前からのうねりと横からとうねりが発生していた。うねりは砕けないものの、不規則な海になり海流に変化も始まり海の流れも西に感じた。
うねり変化が始まってから
一気に気分悪くなった。
最悪だ、船酔いが始まった。
殆ど食べてないからげーろげろにならなかったけど、永遠こみ上げがキツかった。
おえおえ開いた口が閉まらない。
パドリングの手が止まる。
頭の上には4匹ぐらい海鳥がぐるぐるずっと飛んでいる。
それを見るだけで目が回る。
とにかくお腹の異物感を我慢しながら
漕いでは止まって、漕いでは止まって繰り返す
11時40分
波照間の全景がはっきり見える。
うねりはまた変化があった。カヤックの左後ろから来るうねりが多くなってきた。
後ろからのうねりは好きじゃないけど、規則性があって判断もしやすくなった。
お腹の異物感も消え、海も安定してきて船酔いは薄れ楽になってきた。
島の地形や建物も良く見え、距離も10キロ切ったぐらい、あと少しだ。
分かる人には分かる話だけど。見えてある程度近づいてからが遠く感じる。カヤックの時速、キロで言ったら10キロ以下。お喋りしながら漕いだら5キロのスピード。多分普通に漕いで7〜8キロぐらいかな。
目の前まで来てるのに着かない、何度も経験しているから分かっちゃいるが精神的に辛さが降りかかってくる。
予定のニシ浜から少し外れている。船酔い事件から休憩の頻度も上がり、西から東への流れで流されていた。着岸予定のニシ浜へは、港前、航路を渡る必要がある。ふわっとした現在地、微妙に島から外れた位置から渡るには危険性があると判断してニシ浜から港跨いだリーフを目指す。
リーフ、内海に着いてから港を横断。この瞬間いつもドキドキする。音だけならまだしも、見えてる位置に船がいたらヤバすぎる。
そしてやっと
波照間島上陸ーー!!!
着いてまず海に漬かり浜で寝る
感無量。
最高。
全身砂まみれ。ポケット砂まみれ。
それでいい。
観光客の人が見る、集まる。
自販機どこにありますか?
観光客に会釈しつつ、前に建つ宿の自販機でコーラ買ってニシ浜とカヤック見ながら
コーラうめぇ
7時間だ。7時間。
うねりが更にデカかったらもっと時間はかかっていたな。。
待機してもらっていた宿のおじさん、西表島の人々に連絡を済まし、観光の人と話をして
また
トレック430に乗り込んだ。
時間は13時半。まだ体力は…
行ける気しかしねぇ
さぁ次は波照間島をカヤッキングだ。
石垣島へ向かうカヤック
以前のカヤッキングから間もない事
朝7時 予報 晴れ 南東3m 大潮
出航
そう石垣島へ
ルートの構図はしたたかに練っていた
もちろん安定したルートを。
天候によっての中止は当日判断
一応予報だと良い天気
風ぼーぼーの海も爆発してたらムリムリ
だけど朝の天気はあまりパリッとしなかった。南東の風じゃなく東風。
西表東部の海は東風が強い日に荒れる事は知っていた。小浜に向かいながら、海が少し騒ついていた。
と言っても余裕まだまだある程度。
西表島と小浜島には水道がある。この手前か過ぎた小浜島で最終判断予定。
最悪、荒れたら小浜島でカヤックを畳んで船で帰ろうと決めていた。笑
鼻歌まじりに西表島と小浜島の間のヨナラ水道の横を通過しようとした。
リーフに挟まれたヨナラ水道
この辺りに住む人間としてはよく知られた水道だ。絞られた海は流れの流速が早くなるからだ。
ど真ん中横断する訳じゃないし通過時の潮のタイミングも"潮止まり"と決めていた(干満のピーク後1時間前後は海の流れが止まる)
しっかりと海をキャッチしていればカヤックを越える潮の流れは無い
余裕をぶっこいてたら海はすぐ牙を向くから手は休めずパドリング。
小浜島が目前に見えてきた
ヨナラ水道南も無事過ぎ小浜島の目前にまで来ることができた。
振り返って見る西表島
天気も回復して、風速も落ち風向きも南東に変わってきた。
最高のベストコンディションだ。
小浜島に来たんだし、どっか浜にでも着岸して休憩しようと思っていたけど…
気が変わった、微妙に遠いけど港に向かった。
聞いたらくだらねぇと思うだろう
今すぐコーラ飲みたい
小浜島の港に着いた
浜に着岸するより、小浜島着いた感があって嬉しかった。
時間としては3時間かかっていた。
港のターミナルの自販機でコーラ飲む
ターミナル内の売店は開いていた。
売店のお姉さん達に話しかけられて色々話す。小浜島の現状の話を聞いたりと。
面白い人達で笑かす話ばかりで楽しかった。
身体も休めれた事だし、カヤックに乗り込み、竹富島方面へ漕いで行った。
小浜島周辺のリーフは最高に綺麗だった
海も穏やかだし、心地よい、夏を感じ始めた。暑いけど。
小浜から北に2キロ離れた嘉弥真島(かやま)が見える。
嘉弥真島を横目に過ぎて小浜島と竹富島と間に幻の島と呼ばれる浜島を目指していた。
この辺り
浜島は干満の影響で面積が変わる砂だけの島だ。
普段はダイビング屋とかの船でごった返し幻がそうでもない場所になりつつの島
業者がストップしてるこのタイミングに上陸してみたかった。
幻ではなく現実。海のど真ん中の砂浜に立つ。大潮干潮が近いから砂浜は三日月のように大きく島は姿を表していた。
ここでランチを食べて、暑い身体を泳いで冷ました。
竹富島へ向かう
振り返り
本当にこの日の海と空は綺麗だった。浅いリーフに囲まれた島々、風弱いから波も立たず地形もはっきり見えていて海の透明度がよく分かる。
竹富島はすぐ目の前
だけど潮がかなり引いてしまっていた。
現れる浅い地形箇所が多く、縫うよう進んで行った。
石垣が近いからか離れた先周辺にちらほら船が見え始めた。
べた凪とまで言わないが島陰にいるからかほぼ無風でカヤックはさくさく進む。
大潮の影響で陸地が出てしまった。
竹富島の有名な西桟橋には上陸できそうになかったのが残念だった。
安全なリーフエッジ沿いに漕ぎリーフのサンゴの隙間を選んで内陸に向かって行った
竹富島に上陸
観光客で埋め尽くされる竹富島の港は
誰1人いなかった
石垣島まで目前まで来た
友人が石垣に迎えに来てもらう時間まで余裕があったけど、あまり島をウロウロできない。
着岸したスロープでまたコーラを飲みながら携帯食の黒糖を食べていた。
影に入っていたら風も少しあり暑さを全く感じない。横になっての昼寝が気持ち良かった。
時間合わせでどこかキレイな場所でアンカー落として泳ごうと思ったけど、面倒だから止めた。
1時間の休憩後石垣島に向かった
船の航路にある塔をパスする
船舶の時間は調べていたがやっぱり少しドキドキする
さぁ目前だ。最終地点石垣漁港を目指す
カヤックを漕いでいると目線がとにかく低い。離れた先の知ってるつもりの景色もさっぱり分からなくなる。
よく釣りしてた新川漁港も海側からみたらどこが入り口だか最初悩んだ。
目の前の防波堤の入り口から行けるだろう?と地図を見ながら確認しながら進む
船の通過も多い
石垣は港も人が結構いる。不自然にどっからか入港したカヤックに目を配る人が多かった。
適度に会釈しながら
石垣島に到着!!
距離は実際あったとしてものんびり休憩したのもあり、本来時間はこれ程までかからない。身体は少々痛いが皮膚の擦れ傷とかもない。
今回の航路を振り返り
漕ぐ分には水深はもちろんあるが全体的にどこもかしこも浅い。10m辺りの水深なのか。大潮だったのもあるが…。何でも浅い方がいいじゃないかと思うだろけど、荒れて浅いと流れを作りやすい。砕け波、白波もわんさかできる。
今回は海況も穏やかで安定して気持ちのいいカヤッキングになった。
帰りはカヤックは畳み、ずるい話、船で帰る。笑
次いつかはカヤックで石垣島をめぐるだろう。その時またテントなど積みじっくり回りたい。
そして心配して頂いた方々、仕事の合間に迎えに来てくれた友人や、泊めて頂いた友人、この度もありがとうございました。
おまけ
嘉弥真島に上陸
入り口すぐで寄ってきたウサギさんがかわゆい
初SUP
カメの交尾
電柱に立つカンムリワシ
この間の日食
太陽の撮り方なんてさっぱり分からないし太陽光フィルターもないのでカメラ壊さない程度で。初めて日食見れて嬉しー
イシミーバイ
それではまた