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日本一周?すまんオカンちょっと行ってくる

日本一周後 縁?訳?あって現在西表島住まい

カヤック旅 石垣島一周 後編2

2月22日 東風速4m

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昼頃に出航予定。朝はゆっくりと木陰で読書していたが、世話になった人の息子のきんちゃんに暫く付き合っていた。朝のラジオを聞きながら、土遊びをして近くの遊具で遊び、きんちゃんとすべり台で遊んでいた。きんちゃんは朝メシを食べてないのか「ラーメン食べたい〜!!」って。残ったうまかっちゃんを作って2人ですすっていた。

 

皆の帰る姿ときんちゃんの寂しげな姿を見送り、最後に残ったあっちゃんも俺も、出発の準備をしていった。

 

最後にあっちゃんと海岸に座りタバコを吸いながら波打ち際を前に別れの挨拶をした。

「かずにい、無事終わったら連絡してね!」

あっちゃんは迎えから見送りまで、一緒に過ごせた時間はとても嬉しかった。彼女も自転車で平久保岬まで進むようだ。暑い日寒い日、天候が崩れる日もあるだろうけど、無事に彼女も過ごせる事を切に願った。

 

出航して振り返るとあっちゃんは遠くで手を振って「かずにいまたねー!」と声が聞こえ

見えるようにパドルを高くあげ「ありがとうー!」と声を送り別れていった。

 

伊野田の海を過ぎ白保へと、宮良海岸へと漕ぎ進む。時間には余裕があり、時折漂流するようにカヤックから足を外に投げ出し寝転がって雲一つない空を眺めていたf:id:okantooton:20210324210655j:image

予報だと天気がいいのも今日までで、明日から風も強く吹きこんな風にのんびりしていられないのだろう。道草ばかり食ってないで漕ぎすすめ、終わりを迎えよう。夕方には宮良に着こう。携帯食の残った黒糖を食べ切って腕を動かした。

身体のあちこちが痛かった。歩いていたり椅子に座っている時は感じなかったが、漕ぎ出して暫くすると、ズキンとくる肘の痛みや、フットレストにかけてる足から膝のつけ根。特に腰への負担が強くあった。

 

白保地区に入り、近代的な建物の空港横の海を進み、真上上空を飛行機が行き来していた。轟音が耳に響き渡り、自然を通じた旅の景色は、近代的な新しい物の景色に変わってきた。

白保地区の海は格別にまた綺麗だった。エメラルドの海底に見える白保のテーブルサンゴをかき分けるよう、一漕ぎするたびサンゴは後ろ後ろへと下がり、海面まで眼下40センチ程だがカヤックは宙に浮かび進んでいるようだった。

 

宮良湾に入り、テントが張りやすく、友人と合流のしやすい場所を探した。宮良の海岸の殆どが足場の悪い岩が多く、最初は宮良地区の対岸に大浜地区があって、テントを張りやすそうな大浜海岸に着岸した。犬の散歩やランニングする人が行き交い、テントを張ろうと思った場所に犬がウンチする姿を見て冷めた。

結局宮良地区の海岸の、スロープから上げた周辺でテントを張り、さっさと着替えてルーティンワークの焚火の木材集め、白飯の準備や、ランタンを吊すための位置合わせ。ラジオのアンテナが良く拾う場所探しや…この流れも今日で終わりを迎える。

f:id:okantooton:20210326010208j:image夕日は街の影にすっかり隠れてしまった。

残った食材と適当に拾ったアーサーを鍋につっこみ、炊いた飯をかき込むように食べ、ランタンの灯りで手元を照らし読書していた。

夜は少し寒かった。足先を暖める焚火は時折パチンと弾けては裸足の足に火の粉が降り「あちっ」っと小言を呟くも、焚火から離れられなかった。

 

暫くして仕事終わりの友人が遊びに来てくれた。差し入れに今日はエクレア。海旅に甘い物は無縁で、甘い物好きの俺は、淹れたコーヒーを片手にエクレアは嬉しさと甘さが口の中に広がった。

明日午前10時頃に迎えに来てくれる。最後の一仕事はそれまでにカヤックの分解と荷物のまとめをするだけだ。

 

友人に「もう終わった」と感じるのか「やっと終わった」と感じるか、どちらなのかと聞かれ少し答えに迷った。その時は疲れ切っているし、温かい布団で眠りたいだの思い、やっと終わったと答えは出したけども、次の日、カヤックを分解し一通りパッキングを済ました時にもう終わってしまったのか…と意思は変わっていた。そう思える事はきっと、自分の中で得た事が沢山あって少しの成長があったからこそ、そう思えたのだろうと答える。とにもかくにも、暫くの休息は必要だけど…

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次の日の天気は予報通り崩れていた。北風が強く吹き朝は小雨が降っていた。風下の宮良では、雨はしとしと降りテントをパタパタと小さく叩いていた。

友人が迎えに来てくれて昼食に真栄里の食堂へ行った。

f:id:okantooton:20210328192201j:image俺の拳ぐらいある、からあげにご飯大盛り。お店の人が「お兄ちゃんおかわり欲しかったら言ってね」んなバカみたいに食えるかと思ったが、おかわりしてはバカみたいに食った。

 

夕方まで友人と過ごし予定通り船で西表島に帰った。

f:id:okantooton:20210328002939p:image漕行距離167キロ

 

たったの9日間だけど、いつもの9日間とは違う。ありがちないつもと、大きく違う生活を続けると、本来の自分の姿が現れ、自分らしかった気がした。

この9日間は出会えた方々に対して感謝の気持ちと、特にサポートや撮影をして共に過ごしてくれた友人にとても感謝している。どれだけ言葉費やし伝えても、感謝の言葉は足りない気がする。本当にありがとう。

 

もし同じように誰かが海旅をしたいと口にするならば、技術が伴えば一人で行く事も勧めたい。誰かと行けば、誰かとの時間に費やし、それもいい思い出になるけどね。

一人自由に進む事が出来たなら、そこには色々な人との出会いや、新しい可能性が、きっと広がると信じている。

 

それはきっと、海の広さぐらいにね。

 

 

 

石垣島一周の日記はここまで。また何かあれば。ふざけ記事かもしれないけど。

もしここまで読まれた方に、ありがとう。