日帰り石垣島
4月初め頃。
初のカヤックリジット艇を所有する事になった。職場仲間でもあり、優しくしてくれている奥様から頂く事に。軒下に10年近くの放置艇だけど、初のリジット艇所有には申し分なかった。
艇はクオリティカヤックス製 サザンスクア
5m以上の大きなカヤックだ。それでも乗り込む際コクピットは狭いしシートは硬いし…。そんなもんだと慣れたら気にならないが。安定感があり乗りやすい。
慣らすのに近場から、20キロ前後の距離を漕ぎある程度荒れた海やらと慣らしていった。
西表島南西に位置する鹿川湾にて
南風で打ち上げられたゴミが半端じゃなく多かった…。
海底深く潜った先にもゴミあるし。
いつものファルトで長距離を漕行をしてきたが、新しいリジット艇では近場ばかりだった。正直長距離と言っても行く場がなくなってきた訳で、のんびり散歩程度やらと漕いでいた。
珍しい人からコンタクトを取ってきた。
知り合いのおじさんにお呼び出しをされる。シーカヤックで有名な方だ。オーストリア〜インドネシア、日本、海を渡った人はシーカヤックする上で身近に漕ぐ人達とは考え方が違っていた。もっぱら最近は、自身が漕ぎ進みたい潜りたい海は一通り終わったようだが…。
その方は50歳手前で、体力的には問題ないけど精神的には40代から下り目となると口にする。
「漫然と一日を生きるより目的を持ってカヤックを漕ぎ生活するといい」
そんな話をきっかけとなり
久しぶりに少し、距離を漕いでみたくなり竹富島と小浜島の間にある浜島、八重山のツアーじゃまぼろしの島と呼ばれる場所まで漕いで行った。
西表から一番近い小浜島を目指す。
何度も漕ぎ進んだ海だから見慣れた景色だった。南風が後ろから押してくる。気楽な感じでパドリング。
小浜島を左側に見過ごしながら、風に多少流される事を計算に浜島へ。
浜島かと思った場所に上陸
「なんか違う。砂浜じゃなかったか…」
大潮だし分かりやすく出てると…
300m先か、砂浜が見え…
「ここはまぼろし…?」
浜島?違うし。笑
一応本物にも
海に浮かび飯食って
石垣島が近くに見える
悪いムシが身体を動かし
13時だってのに石垣島まで漕いでいった。
竹富島〜石垣島間はマリンレジャーで船の行き来が多かった。海も荒れておらず平和だった。
14時半フサキ灯台にて
石垣着いて航海、じゃなく後悔。。。
そう今日は日帰り…
海で遊ぶ子供達や親と話、コーラで喉を潤して30分も経たないぐらいで西表島に真っ直ぐ漕いでいった。
眼下に黄金色に染めあげられた海が広がり、パドルが海を持ち上げパシャンパシャンと静かな音が全てだった。
思いつきで行ったには後悔する距離だったと反省。妙に声も掠れ、嘆きながら空を仰ぐ。
焦り、手早く動かすパドル、上半身と踏ん張る足の疲れがキツくなり…。海に一度身体を投げ飛ばした。片手カヤックを掴み、大の字で沖の海を流れる。他人からみたら危うくアレにしか見えないが…。包まれるよう海と一体となっていた。目も閉じてみる、流されながら聞こえる海の音に耳をすまし、気持ち落ち着かせ。。
夕刻は静かに夜を迎えようとしていた。
あの仲間崎を過ぎれば住む集落だ…。自分が浮かぶ今は深いのか浅いのかすら分からない。
港と橋の灯りがうっすらと見え一直線に漕ぎ進む。腕も勝手に動く。機械みたい。
帰ってきた時にはクタクタでコクピットから抜け出しすぐ大の字になり横になった。真っ暗な空はため息が溢れるほど満天の星空だった。
その日片付けなんて微塵もやらず帰ってビールを飲んだのは言うまでもないか…
さぁ次はどこに行こう?